雑記

「お年玉」×「惑星間通貨システム」──宇宙スケールで膨らむお金の夢

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年が明けると、子どもたちが心待ちにするものといえばお年玉。日本では親戚が集まる新年の行事とともに、小さなポチ袋から数千円~数万円が渡される、ちょっとした“子ども版ボーナス”のような存在ですよね。では、もしこのお年玉という文化が惑星間社会にまで拡張されたら、どうなるのでしょうか?

地球から火星へ人が移住し、さらに木星圏や土星圏に宇宙コロニーが点在するような未来では、通貨の概念や価値体系そのものが大きく変わります。そんな宇宙規模の経済観の中で「お年玉」を考えると、想像は一気に広がるはず。たとえば、火星の子どもたちがお年玉として受け取るのは、本当に紙幣やコインでしょうか? あるいは、小惑星から採掘したレアメタルや、将来値上がりが期待される希少鉱石なのかもしれません。

この記事では、惑星間通貨システムが当たり前になった近未来を妄想しながら、お正月の“おこづかい”文化がどのように変化するかを考えてみます。銀河へと飛び立つ時代でも、年の初めには「今年もがんばってね」と子どもに“何か”を贈る──その光景を、SFの視点から楽しんでみましょう。


火星のお年玉は小惑星の鉱石!?

現在の経済では、地球上にある金(ゴールド)や紙幣が価値の基盤として扱われることが多いですよね。ところが、人類が火星や小惑星帯に進出した未来では、希少な鉱石や珍しいレアメタルが新たな財宝として注目される可能性があります。たとえば、小惑星帯から採取されたプラチナを超えるほどの超レア物質が、最先端のテクノロジーに欠かせない素材として希少価値を持つようになるかもしれません。

そんな世界で、お年玉をもらう火星の子どもたちは、もしかするとポチ袋の代わりに小惑星産の鉱石を受け取るのではないでしょうか。「今年はAO-6673小惑星で発掘された新種のレアメタル、やったー!」なんて声をあげる子どもの姿が目に浮かぶようです。地球の子どもにとっては現金やビットコインが嬉しいかもしれませんが、火星キッズにとってはそういったレア鉱石のほうが、遥かに価値を感じるのかもしれません。

このように「惑星によって求められる価値が異なる」状態になると、お年玉という行事も、地域・惑星ごとに大きくカスタマイズされそうです。お年玉は「遠い星で手に入らない貴重なものを贈る」行事に変貌し、しかもそれが地球と火星の距離感覚からすると、数か月・下手をすれば数年かかって届けられることもあり得ます。届いた頃には、もっと凄いレアメタルが発見されていたりして、話題がすっかり古くなってしまう…なんてギャップもまた、宇宙社会ならではの面白さでしょう。


宇宙コロニーごとの通貨単位とワープ手数料

多様化する通貨とレート

惑星間社会が本格的に始まれば、「○○コロニー限定の通貨」や「木星圏でのみ使用可能な電子マネー」など、地方通貨の宇宙版のようなものが次々に誕生しそうです。火星コロニーでだけ使える“マース・ダラー”や、土星リング周辺コロニーの“リング・クレジット”など、名前を想像するだけでワクワクしますよね。

問題は、各コロニー間でレートの変動が激しくなること。地球では円やドル、ユーロといった通貨同士でも為替変動がありますが、宇宙規模になると、太陽フレアの発生や小惑星運搬コストの変動など、未知の要素が影響を及ぼすかもしれません。つまり、お正月に「地球のおじいちゃんから土星の孫へのお年玉」が、急に半分以下の価値になったり、逆に2倍以上に膨れ上がったりする可能性があるのです。子どもたちの間では、為替のニュースが毎朝の話題になるかもしれません。

ワープ手数料の存在

さらに、貨物や情報をワープ航行で送る際に「ワープ手数料」がかかる設定もありえます。せっかく地球から火星の孫に高額なお年玉を送ろうとしても、その通貨や鉱石をワープ便で送るのに莫大な手数料がかかったら、渡せる金額はわずかになってしまうかもしれません。いまの宅配便や国際送金とは比べものにならないほど複雑な料金体系がありそうですね。

また、そのワープ手数料も日々変動し、「年末年始はワープ便が混むから割増料金です!」なんてニュースが流れると、おじいちゃん・おばあちゃんも頭を抱えることになりそうです。「正月は帰省してこそ」の文化がなくなれば、お年玉の形態も、送金システムや仮想通貨を通じたギフトになっていくのは必然かもしれません。


地球の子どもはビットコイン? 火星の子どもはイーロン・マスク通貨?

想像をさらに広げてみると、地球の子どもが欲しがるお年玉は仮想通貨の代表格であるビットコインやイーサリアムかもしれません。あるいは新興のNFTトークンなどを「これから値上がりするから、未来の学費にするんだ!」と狙う子がいるかもしれません。

一方で、火星の子どもたちはより実用的な通貨が欲しいと考えるかもしれません。たとえば、火星でインフラを築く際に必要となる「マスク・クレジット」や「レッドコイン」といった、起業家イーロン・マスクの名を冠した通貨(仮にそう呼ぶとして)が使われている可能性もあります。これは火星に特化した支払い手段で、酸素生成プラントの利用料や居住区アップグレードなどに使える、といったイメージです。

子ども同士の会話も、「あんたの通貨が明日から値崩れすると噂になってるよ!」とか「僕は別のコロニーが開発した新しい暗号通貨に乗り換えるんだ!」と、なんだか妙に大人びた方向に盛り上がりそうです。地球の昔から続く紙幣お年玉文化を懐かしむか、それとも新時代の多彩な通貨の中で“価値”を見出すか──そんな選択が迫られる未来、ちょっと見てみたいと思いませんか?


まとめ:広がる宇宙、お年玉のカタチも無限大

お年玉という文化は、単にお金をあげるだけではなく「新しい年を迎えるお祝い」の気持ちが込められた行事です。もし人類が惑星間に散らばって暮らすようになっても、その精神はきっと変わらないでしょう。ただし、そこに登場する通貨や価値は、地球だけの視野では想像もつかないほど多岐にわたり、SF映画のようなやり取りが日常化するはずです。

火星や小惑星帯でのレアメタル、独自の電子マネーや暗号通貨、惑星間為替やワープ手数料など、一連の流れを想像するだけでもワクワクが止まりません。新年の挨拶を交わしながら「今年も頑張るんだぞ」と、おじいちゃん・おばあちゃんが銀河の彼方から贈ってくれる贈り物──それは、現金じゃなくて“光速通信で届く惑星通貨”かもしれません。もちろん、配達の時差で届くのが旧正月だった…なんてハプニングもありそうですが、それはご愛敬。

こうして思いを馳せると、宇宙スケールに広がるお正月とお年玉は、地球の正月とはまったく違った彩りをもたらしてくれそうですよね。もし本当にそんな未来が来たら、子どもたちはきっとどの星にいる親戚や友人からもらうお年玉が一番価値があるのか、目を輝かせて語り合うことでしょう。そして大人たちは、宇宙の経済リスクやワープ手数料、まさかのレート変動に右往左往しながらも、「子どもたちが喜ぶ顔を見たい」という気持ちで、せっせと銀河便を手配するのだと思います。

そんな宇宙級の未来に思いを馳せつつ、さしあたり今度のお正月は、いつもよりちょっとハイテクなお年玉を用意してみるのはいかがでしょう。子どもたちに想像力と好奇心をプレゼントするだけでも、新しい年がもっと刺激的になるに違いありません。