コードエディタ「Cursor」を使っていると、A.I.エージェントが自動でコードを書いてくれたり、設定ファイルを整備するだけでプロジェクト固有のルールを適用できたりと、まさに未来の開発体験が得られます。
ただし、実際に使いこなすにはいくつかのポイントがあります。特にv0.45で追加された「.cursor/rules」やComposerエージェントのモデル選択など、知っておきたい設定やベストプラクティスが満載。
この記事では、.cursor/rulesの仕組みと設定方法、そしてComposerエージェントで最適なモデルを使うコツを詳しく解説します。
私自身、「こんなに早くコードを生成してくれるなんて…!」と驚いた一方、いろいろと知識がないと振り回されがちでした。ぜひ、あなたのCursor活用のヒントにしてみてください。
1. .cursor/rules(v0.45)の概要と設定
まず、v0.45で登場した「Project Rules」機能から。これまでの.cursorrulesとの最大の違いは、プロジェクトごとに複数のルールファイルを置ける点にあります。
以下のように、.cursor/rules/ディレクトリ内で複数の.mdcファイルを作成し、各々に適用対象や説明文を定義する形です。
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description: CSS編集時に使うスタイル規約
globs: **.css
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# My CSS Rules
基本は2スペースインデントで統一すること。
上記ではdescriptionやglobsをYAMLで書いて、その下にMarkdown形式でルール本体を記載しています。
また「このルールは*.cssにのみ適用」など、ファイルパターンを細かく指定できるのがポイントです。私も初めて使ったときは、「1つのルールファイルで全部定義していた頃より格段に整理しやすくなったな…」と感じました。
- ルールの粒度を細かくする
大きなルールより分割が管理しやすい - プロジェクト知識を埋め込む
独自の命名規則や手順を明確化 - 自動化で作業を減らせる
LintやPR作成をルールで自動実行
こうして複数ルールを用意すれば、Cursorが場面に応じて自動で最適な規約を参照してくれるわけです。これは地味に便利。
2. .cursorrules と .cursor/rules の違い
従来の.cursorrulesはプロジェクト全体向けに1ファイルを置く方式でしたが、.cursor/rulesは複数ファイルを置き、ファイルパターンで条件を絞りつつ自動適用する点が異なります。
また.mdc形式にYAMLヘッダをつけるスタイルになり、@ファイル参照によって他のコードファイルを参照できる機能も追加されました。
私が試した限り、.cursor/rulesの方が柔軟にプロジェクト固有ルールを設定できる印象です。特に巨大なリポジトリで「フロントエンドだけルールA、バックエンドはルールB」など使い分けたいときに重宝しますね。
- 単一ファイルか複数管理か
- ファイルパターンで適用範囲を指定
- @記法で他のファイル参照も可能
総じて、Cursor v0.45以降のProject Rulesは、より大規模なプロジェクトを想定した洗練された仕組みと捉えると良いでしょう。
3. Composerエージェントでのモデル選択:ClaudeかGPTか、はたまたDeepSeekか?
次は多くの人が気になる「エージェントに使うモデルはどれがベスト?」という話題。CursorのComposerエージェントは、主に以下のモデルを利用できます。
- Claude 3.5 Sonnet:大きなコード対応に強い
- GPT-4 / GPT-4o:汎用性が高く論理思考に優れた印象
- DeepSeekシリーズ:低コストで大量リクエストOK
一部ユーザーからは「Claude Sonnetの方がGPT-4oよりコード生成が的確」との声が多いですが、GPT-4oもアップデートにより安定感が増しているという意見もあります。
またDeepSeekはコストが格段に安いため「大量に試行したい」「とにかくコストを抑えたい」シーンで重宝します。DeepSeek r1はChatGpt o1レベルの能力がありますが、無料リクエストで使用できます。
私の場合、最初はDeepSeek r1で雑談的に仕様を詰め、実装フェーズはClaude 3.5 Sonentに任せる…という使い分けをするのがしっくりきました。
※DeepSeekはアメリカでホスティングされているため、中国に情報が保管されることはありませんが、ゼロデータ保持契約は2025/2/10時点では未締結であるため、企業などで使用する場合、セキュリティのルールによっては注意が必要です。
4. プロジェクト規模や目的に応じたモデル活用のコツ
- 大規模コード解析ならClaude系
長いコンテキストでも対応可 - 汎用タスクにはGPT-4o
論述や多様なトピックに対応 - コスト重視ならDeepSeek
無制限利用で回数気にせず試行
一度に大量のコードを読み込ませて構造をリファクタしたいときはClaude 3.5 Sonnetが評判良いです。
逆にマルチモーダル要素やドキュメント生成が必要ならGPT-4oが便利。また、テストを頻繁に繰り返してトライ&エラーしたいならDeepSeekが向いています。
5. Composerエージェントの上手な使い方:ベストプラクティス
実際に使う上で押さえておきたいポイントを挙げてみます。私が試行錯誤して得た感覚としては、以下が大事でした。
- ゴールを明確に分割する
大きな課題を小さなタスクに - 十分なコンテキスト提供
仕様や要件を先にしっかり説明 - 変更の逐次レビュー
自動変更を鵜呑みにせず検証 - Auto Saveは場面を選ぶ
ホットリロードには便利だけど要注意 - モデルの組み合わせも考慮
高精度モデルと安価モデルを使い分け
特に変更内容は必ずdiffを確認してからマージする習慣を持たないと、意図しない改変が入ってしまうリスクが高いです。
私も最初、それを怠って痛い目を見ました…。やはり人間の目で最終チェックは必須だと痛感します。
6. まとめ:CursorでAIエディタを使い倒すために
ここまで、Cursorの`.cursor/rules`機能とComposerエージェントのモデル選択・使い方を紹介してきました。ポイントを振り返ると:
- .cursor/rules で柔軟なルール設定
コードスタイルや自動化がカスタマイズ可 - .cursorrules との違いは複数管理や条件分岐
v0.45以降はYAML+md形式のルールが主流 - モデルはClaudeかGPTかDeepSeekか
コスト・性能・タスク次第で使い分け - Composer活用の鍵はタスク分割とレビュー
AIに任せすぎず人力の監視が大事
Cursorのエージェントは驚くほど強力ですが、暴走させないためにもプロジェクトルールをしっかり定義し、モデル選択も状況に応じて切り替えるのがベストです。
私も当初は「全部ChatGPTでいいのでは?」と思っていたけれど、試してみるとClaude系やDeepSeekが意外なほど役立つケースが多く、驚きました。
これからもCursorはバージョンアップで新機能が増えるはず。あなたの開発環境やプロジェクトに合わせて調整し、「最強のAIエディタ」として使いこなしてみてくださいね。