一時期は「GAFA」という呼び名が当たり前のように使われていたのに、最近になって「MAGA」「GAFAM」「MATANA」など、やたらと略称が増えているのをご存じでしょうか。
私も正直、「いったいどれが正解なの…?」と迷うことがあります。実は、こうした呼び名の変化は、ビッグテック企業が絶えず再編・拡大し、事業領域を広げていることの証でもあるのです。
この記事では、なぜ呼び名が次々と変わるのか、その背景をわかりやすく解説していきます。
1. なぜ呼び名が次々と変わるのか
「GAFA」とは何が違うの?という疑問を持つ方も多いでしょう。
かつては「Google、Apple、Facebook、Amazon」を指した呼称が「GAFA(ガーファ)」として世界中で使われていました。
とはいえ、その後の企業成長や社名変更、そして新しいテック企業の台頭などに伴い、新たな呼び名が次々と誕生しています。
- 企業の社名変更や再編が頻繁に起こる
- 新興企業が短期間で巨大化する例が増加
- 略称で誰を含むかで“主役”が見えてくる
こうした動きは、業界の勢力図を示す指標でもあります。
呼び名が増えるほど、「今はこの企業が最注目」「この領域が急成長中」というトレンドが見えてくるのが面白いところ。
個人的には、たった1~2年で主役が変わるテック業界のスピード感に驚かされっぱなしです。
2. まずは「GAFA」の誕生
「GAFA」は、Google, Apple, Facebook, Amazonの頭文字を並べた呼称。
検索エンジン、モバイルデバイス、SNS、ECという分野の覇者として、メディアやジャーナリストが盛んに使い始めました。
- Google: 検索と広告でネットを支配
- Apple: iPhone成功でモバイル時代の王者
- Facebook: SNS革命を象徴する急成長企業
- Amazon: EC大手+クラウド(AWS)でも先行
「なぜMicrosoftが入っていないの?」という疑問もよく聞きます。
実際、Microsoftは昔から巨大企業でしたが、GAFAが注目されだした頃はFacebookのSNSインパクトが強烈で、“パソコン向けソフト”のイメージの強かったMicrosoftは消費者目線でやや地味に映ったのでしょう。
私も当時、「あれ、マイクロソフトは?」と思った覚えがあります。
3. 「MAGA」への移行
その後、FacebookがMetaへ社名変更したり、Microsoftがクラウドやビジネス領域で再注目されたりして生まれたのが「MAGA」です。
- M: MicrosoftがクラウドとAIで存在感UP
- A: Appleのエコシステムは拡大継続
- G: Googleは検索と広告で圧倒的強み
- A: AmazonはECとAWSで幅広く展開
Meta(旧Facebook)については「Fを外していいの?」という声もありましたが、ビジネスシーンや株式市場での評価を見ると、Microsoftの方が“メインプレイヤー感”があると見なされたようです。
ただ、英語圏では「MAGA」が政治的スローガン(Make America Great Again)を連想させるため、必ずしも一気に定着しきってはいないのが現状。
私も海外ニュースを読むときはちょっと混同しそうでヒヤヒヤしますね。
4. 「GAFAM」はなぜ使われた?
もう一つ耳にするのが「GAFAM」。
これは「Google, Apple, Facebook, Amazon, Microsoft」を含める形です。
GAFAにMicrosoftを加えることで、SNS系のFacebookも外さず、クラウドや企業向けソリューションで勢いのあるMicrosoftも入れる――つまり、5社そろい踏みというわけですね。
- 広告: Amazon, Google, Facebook が強力
- クラウド: Amazon, Microsoft, Google が競合
- モバイル: Apple, Google がOSを牛耳る
「ガファム」と呼ぶので、やや言いにくいという難点もあるようですが、巨大IT企業を広範囲にカバーできる利点は大きいと思います。
私も最初は「ガファムってなんだ?」と違和感を抱きましたが、慣れるとすんなり受け入れられるようになりました。
5. 「MATANA」とは何か?
さらに最近、「MATANA」という呼び名を聞いた方もいるかもしれません。構成は下記の6社。
- M: Microsoft (ビジネス&クラウド)
- A: Apple (モバイル&エコシステム)
- T: Tesla (EV&エネルギー)
- A: Alphabet (Googleの親会社)
- N: Netflix (動画ストリーミング)
- A: Amazon (EC&AWS)
ここではFacebook(Meta)が抜け、TeslaやNetflixなど自動車・エンタメ系が加わっているのが特徴です。
要するに、「インターネット」の枠を超えてエネルギーやメディアの新しい潮流を象徴する企業を含めたいという思惑があるわけです。
いまや電気自動車も“モバイルコンピュータ”と化しているので、テスラがビッグテック扱いされるのも納得かもしれません。
私としては、こうなると「じゃあMetaはどこに…?」と思わずにはいられませんが、それもまた業界が動いている証拠なんでしょうね。
6. 他にも存在する呼び名
実は、これら以外にも呼び名はいろいろあるんです。
- FAANG: Facebook, Apple, Amazon, Netflix, Google
- MAMAA: Meta, Apple, Microsoft, Amazon, Alphabet
- GAMA: Google, Apple, Microsoft, Amazon
“ファング”“ママー”“ガーマ”など、正直ややこしいですよね。
こうした略称が頻繁に生まれるのは、企業の社名変更や急成長、新技術への参入などが絶えず起きているから。
メディアや投資家が「今、この企業が押さえるべき巨頭だ!」とセットで語りたくなるたびに、頭文字を組み替えて新しい呼び名を広めるわけです。
これはこれで、テック業界の地殻変動を如実に表していると言えそうです。
7. 呼び名の移り変わりから見えるビッグテックの未来
最後に、こうした呼び名の“乱立”から何が見えてくるのかをまとめてみましょう。
- 主役企業は時代とともに変化する
- SNS中心からクラウド・AIへ軸がシフト
- 自動車・エネルギー・メディア参入が増加
かつてFacebookがSNSで爆発的に伸びた時期、GAFAが登場。
その後、Microsoftの再評価でMAGA/GAFAMが生まれ、さらにTeslaやNetflixの存在が無視できなくなるとMATANAへ――こうして呼び名が変わるのは、企業の動向や市場価値が数年単位で大きく変わるテック業界の特徴を端的に示しています。
私も呼称の多さに混乱しそうですが、「どの企業がどんな分野で覇権を握っているか」を意識して眺めると、テック産業の次の一手が見えてくるかもしれません。
“呼び名の変化は、ビッグテックの変貌を映す鏡”というわけですね。
これから、Meta(旧Facebook)のメタバース戦略が成功して再び“F”が復活するのか、新興企業(例:OpenAIなど)が躍進して「オープンAIも入れよう!」となるのか――テック業界はまだまだ落ち着きそうにありません。
何はともあれ、頭文字の組み合わせに惑わされず、企業の中身と市場の動きをしっかり追うことが大切なのだと痛感しますね。