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ティーチングとコーチングのさじ加減を間違えて大変なことになった話

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指導をするときに大切な、「ティーチング」「コーチング」

うまく使いこなすことができれば、部下を大きく成長させることができますが、使い方を間違えてしまうと、成長しなかったり下手すると大変なことが起きてしまいます。

今回はティーチングとコーチングのさじ加減を誤ってしまった場合に、どのようなことが発生するか実例とともにご紹介します。

「ティーチング」と「コーチング」とは

ティーチングとコーチングは部下を育成するときに使われる、教育の手法です。

本記事の主題は、ティーチングとコーチングの匙加減を間違えると大変なことになるという話なので、ティーチングとコーチングについては簡潔に説明します。

ティーチングとは

ティーチングを簡潔に説明すると、相手に答えを教えてあげることです。

ティーチングでは教わる側は答えを持っていないという前提のもと、教える側の知識を相手に教えることを指します。

答えを教えるので、習得が早いことがメリットです。

相手が初めて物事を行うときや、知らないことを教えるときや、火急のタイミングでティーチングを使用すると、非常に効果的です。

コーチングとは

コーチングを簡潔に説明すると、相手がもっている答えの導き出し方、使い方を教えてあげることです。

コーチングでは教わる側が答えを持っているという前提のもと、相手の答えを引き出すことに集中します。

教える側は引き出すサポートはしますが、ティーチングのように知識を積極的に与えることはしません。

このことにより、教わる側の問題解決能力や、目標を達成する力の成長が期待できます。

決められた手順や、やり方が決まっていないようなことをやらせるタイミングでコーチングを使用すると、非常に効果的です。

ティーチングとコーチングのさじ加減を間違えて大変なことになる

さて、ここまでは「ティーチング」と「コーチング」の体系的な話をしてきましたが、ここからは私の実体験とともに、使い方を間違えると大変なことになるという話をしていきます。

筆者の事例

私がまだ社会人3年目のときに、新人を1人任されていました。

当初は新人研修がなかったので、私が教育担当として1から教育をしていました。

始めの3か月ほどは「ティーチング」の形式で、社会人としての基礎やプログラミングの基礎などを教えていました。

このころは教えられる側としても、新しい知識をひたすら学んでいけばいいため、順調に成長していました。

4カ月目からは業務に携わるようになり、OJT形式に指導が変わりました。

「ティーチング」をしながら業務を覚えさせていきましたが、とあるタスクが今まで教えたことでできる内容だったので、今まで教えたことを総動員してやってみてもらうことにしました。

途中までは順調に進んでいましたが、スケジュールから遅延してくると、焦り出します。周りへの質問も「XXが分からないので教えてください。」といった直接的なものになってきます。

しかし、その質問内容は既に教えたことがある内容なので、「コーチング」の形式で「あの時教えたやり方を思い出してごらん。」といった回答がほとんどでした。

ここでの致命的な問題は、新人はその内容を確かにティーチングで教えてもらっていましたが、定着はしていなかったのです。

そのため、答えがない状態の人に「コーチング」をしている状態であったため、答えを導き出せるわけがありません。

結果、新人はどうすればいいか分からなくなってしまい、作業はもちろん進みませんし、体調不良で休んでしまいました。

何が問題だったか

コーチングをするための前提条件が満たされていなかったのに、コーチングをしてしまったことです。

ティーチングで一度教えことは、できるようになっていると考えてしまっていたことがそもそもの問題です。

相手に答えがないのに、コーチングをやったとしても何かを引き出すことはできません。

教えられる側としては、「そんなこと言われても分からないよ状態」ですし、教える側も「なんで教えたことができないんだよ」という最悪な状態になっていました。

コーチングをする際には、相手が本当に答えを持っているかを把握してから行わないと全く効果がないどころか、かえって状況が悪くなってしまいます。

しっかりと相手の状況を把握して、まだ答えを持っていない状態だったら「ティーチング」でしっかりと答えを教えないといけません。※もちろん「ティーチング」された側も教わった内容をしっかりと習得するように心がけるべきですが。

まとめ

「ティーチング」と「コーチング」は適切に使い分けることができれば、大きく成長させることができますが、その匙加減を誤ってしまうと効果がないどころか、負の影響まで起こしてしまいます。

教育する人はしっかりと相手のスキルを把握して、「ティーチング」と「コーチング」のどちらを使用するのが適しているかを判断する必要があります。

私の事例は「ティーチング」と「コーチング」を使いこなすことができなかったときに起きてしまう、問題として参考にしていただき、同じような事故が起きないようにしていただければ幸いです。

コーチングは相手を導いていかなければいけないので、答えを教えればいいティーチングと比較すると難易度が高いです。

私のような事例を起こさないためにも、コーチングをする立場の人は正しい手法を学んでおくことを推奨します。

コーチングを勉強するには「新 コーチングが人を活かす」という本がおすすめです。

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コーチングを勉強するには是非読んでおきたい一冊です。

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